設立趣旨書

私たち子どもるーぷ袖ケ浦は、袖ケ浦市とその近郊の子どもと子どもにかかわる大人に対して
異年齢で交流できる居場所づくりや、主体的・文化的な体験を通して、孤立化しない子育てを応援し
子どもと大人が豊かに育ち合える地域社会づくりをめざしていきます。

1991年、"子どもたちに夢と感動を!"と願う母親たちの手で、袖ケ浦おやこ劇場は誕生しました。以来13年、子どもたちが感性豊かに育っていけるよう、地域に根ざした活動を続けてきました。80作品を超える生の舞台鑑賞、キャンプなどの自然体験、あそびや表現ワークショップなどを通して子どもも大人も異年齢の仲間と出会い、感動を共有しながら育ち合ってきました。また、設立から2年後の1993年には、幼児を持つ親の日常的なつながりの必要性から幼児サークルを立ち上げ、その後も幼児とお母さんの居場所づくりに取り組み、若い母親たちが安心して子どもと過ごす時間が持てるよう子育て支援にも力を入れてきました。

袖ケ浦おやこ劇場が発足した頃に比べ、子どもや子育てする親を取り巻く社会状況はますます厳しさを増しています。少子化や核家族化が進み、地域の結びつきは希薄になり、子育ての孤立化が浮き彫りになっています。市外から移り住んだ若い世代が、地域に溶け込むきっかけを作るのに苦慮し、子どもたちは遊びの空間をせばめられ、限られた仲間関係の中で過ごしています。

さらに、インターネットや携帯電話などの普及により、人と人とが直接向き合うコミュニケーションは努力しなければ生み出せなくなってきました。生の体験の乏しさは、子どもたちの身体感覚や生命感覚をも危うくし、心の柔らかい子どもたちが、加害者にも被害者にもなるという悲しく痛ましい事件が相次いでいます。物質的な豊かさや情報の氾濫が、かえって子育てをむずかしくし、そのしわよせは子どもたちにはね返ってきているのです。

​ 「心」は人と人との関係の中で育まれるものです。子どもが、小さい頃からたくさんの人とのかかわり合いの中で、心を動かし、五感を総動員するような体験を積み重ねながら豊かな人間関係を築いていくことは、心の成長にとってかけがえのないことです。幸いにも身近に自然が残る袖ケ浦市では、自然や季節の移り変わりを生かした体験活動を豊かに展開することができます。

私たちは、人と人とのつながりを大切にし、子どもも大人も親子の枠を超えて異年齢のたくさんの人たちと出会う場を、自主的に地域に創っていきたいと考えています。また、豊かな芸術文化体験の場づくりを、子どもも大人も知恵と力を出し合って進めていきます。私たちは、特に思春期の子どもたちが、信頼関係を作りながら自由に気持ちを表現し、子どもたち自身の手で活動を創り出し、地域に発信していく機会が持てるよう応援します。

また、子育て中の親の気持ちを受け止め、子どもといっしょの時間を楽しめる空間をつくり、子育てが孤立化しないよう親に寄りそった支援に力を入れていきます。そのようにして地域で子育てをフォローしてもらった親が自信を持って子育てをし、やがてはサポートする側へと回り、育った子どもたちが夢を持って社会参画していく、そんな"人の循環"こそが本当に血の通った地域を生み出していくのではないでしょうか。

私たちは、子どもや子育て中の親がほっとできる居場所や、かかわるすべての人たちが、ありのままの自分を出し、異年齢の人間関係や体験を通して自己実現できるような居場所づくりを、様々な人と手をつなぎ合って進めていくために、ここに特定非営利活動法人子どもるーぷ袖ケ浦を設立いたします。

特定非営利活動法人 子どもるーぷ袖ケ浦
理 事 長  田中 直子

るーぷのあゆみ

1991年7月 「袖ケ浦おやこ劇場」つくろう会 発足
1992年5月 「袖ケ浦おやこ劇場」準備会 発足
1993年5月 「袖ケ浦おやこ劇場」正式発足
2004年11月 「子どもるーぷ袖ケ浦」設立総会
2005年4月12日 「子どもるーぷ袖ケ浦」NPO法人認定

 

注)NPO法人(特定非営利活動法人)とは、市民が主体となって
継続的・自発的に社会に貢献を行う、営利を目的としない民間団体のことです。